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今回の創薬工学シンポジウムでは、「創薬のための未来型プロダクションテクノロジー−マイクロからマクロスケールまで−」というテーマを掲げ、医薬品の生産技術の将来像や夢について語り合いたいと考えています。
プロセス工学、製剤粒子工学、分析・物理化学といった学問が、現在の医薬品生産において非常に重要な役割を果たしていることはいうまでもありません。しかし、現在の生産技術が完璧なものかといえば、決してそうではなく、そこには克服すべき課題が数多く残されています。一方、プロセス工学、製剤粒子工学、分析・物理化学などの研究分野では、日々最先端の研究成果が生まれています。それらの研究成果は、現在の医薬品生産技術における課題の克服にどのように関与し、将来の医薬品生産の姿にどのようなインパクトをもたらすのでしょうか?
今回のプログラムは大きく分けて4つのセッションから構成されています。まず最初に、小川先生から生産技術開発における化学工学の重要性と化学工学の将来像をアカデミアの立場から紹介いただき、Thien先生から製薬企業における化学工学の役割とそのサクセスストーリー、将来への展望を語っていただきます。
次のセッションでは、現在型生産技術の更なる理論化・高度化という観点で、薮亀先生から原薬製造技術の現状と問題点について、上ノ山先生から計測手法と数値解析法の両面からの攪拌工学の最先端研究についてのご講演があります。また、製剤粒子工学面での生産技術としては、ナノ粒子を用いた製剤開発研究の現状と問題点についてShelukar先生からお話いただいた後に、綿野先生から粉体プロセスのスケールアップという重要な課題に関するご講演をお願いしています。ここまではどちらかといえばマクロスケールからのアプローチといえると思います。
一方、マイクロスケールの生産技術に着目した新たな方法論の開発研究も行われています。北森先生から、マイクロ化学チップを用いた物質生産システムと基盤技術を、中嶋先生からは、単分散マイクロスフィアの作製と応用をご紹介していただきます。前先生には、マイクロリアクター中でのマイクロ混合について焦点をあてたご講演をしていただく予定です。
以上のような創薬のためのプロダクションの最新テクノロジーに関する講演の後に、総合討論の時間を設け、皆さんとのディスカッションを通じて製薬企業における未来型生産技術の姿に迫りたいと考えています。皆さんの活発なご参加を期待しています。
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