万有福岡シンポジウムは九州・山口地区の研究者が国内の一線級の化学者の講演を気軽に楽しむことができ、研究者間の交流を深めることができる非常に貴重な機会です。このシンポジウムは1991年から始まり、以降、途切れることなく開催されてきました。コロナ禍を経て、昨年には桑野先生のご尽力で完全復活を遂げた本シンポジウムですが、今回は「beyond 有機合成」をタイトルに掲げ、これに相応しい世界レベルの分子化学研究を展開されている５名の先生方に講演をお願いしました。先生方には、有機合成化学の広がりと将来展望を実感できる、すばらしい研究成果を披露していただけるものと確信しています。また、これらの講演が、多くの有機合成化学を学ぶ学生、若手研究者にとって、心を揺すぶられるような強い刺激となることを期待しています。本シンポジウムは、九州・山口を中心とする多くの有機化学者が一同に集うことのできる貴重な機会です。参加者の皆様にとって本シンポジウムが、存分に議論し、研究の夢を語ることのできる有意義な自己活性化の場となることを願っています。　
　最後に、本シンポジウムの開催に多大なるご支援を賜りましたMSD生命科学財団に心より感謝申し上げます。また、組織委員会、座長、アドバイザリーボードの先生方のご協力に厚く御礼申し上げます。