ホーム シンポジウム 第21回 万有仙台シンポジウム オーガナイザーから
東北大学大学院工学研究科 教授 正田 晋一郎
富士山は海に近いところにありながら、なぜかくも高くそびえ立つことができるのでしょうか。それは、あの広大な裾野を持っているからに他なりません。世界をリードする有機化学の研究者・技術者を目指している皆さんは、富士山にたとえられます。専門性を徹底的に極めることは何よりも大切なことですが、それに加えて有機化学の広大な領域に広く目を向け自らの糧とすることで、さらに大きくなることができるのです。
今回のシンポジウムに、“未来へ挑戦する多様な有機化学”というテーマをつけました。有機化学で取り扱う分子サイズに着目し、有機化学ならではの多彩な階層性を意識した企画としました。また、今年は20年を超す輝かしい万有シンポジウムの歴史に、東北大グローバルCOEプログラムの“分子から社会へ”というコンセプトを加えました。
新しい合成反応の開発、ケミカルバイオロジー、ナノマテリアルサイエンス、プロセス化学、そして全合成。有機化学のそれぞれの分野における権威あるいは第一線で活躍中の若手・中堅の先生方に講演をお願いしました。今回のシンポジウムが、皆さんが自主的で視野の広い若手研究者として、夢のある人類社会の未来へ向けて果敢にチャレンジし、同時に研究室の枠を超えた活発なディスカッションを通じて多くの友人をつくるための一助となれば幸いです。