ホーム シンポジウム 第22回 万有福岡シンポジウム オーガナイザーから
九州大学大学院理学研究院 教授 桑野 良一
九州大学先導物質化学研究所 教授 友岡 克彦
近年、アジア諸国の急速な発展にともなって、有機合成化学分野の研究者人口が加速度的に増加しています。これとともに、10年前には不可能だと思われていた有機反応が次々と報告されるようになりました。それと同時に、有機化合物を利用するライフサイエンスやマテリアルサイエンスも飛躍的に進歩しています。そのような状況で、未来の研究者が有機合成の分野でさらなる発展を成し遂げるためには、これまでの有機合成化学者が思いつかなかった新しい発想にもとづく研究課題に取り組む必要があります。また、有機合成化学の研究をとおして培った発想を基盤にして、有機合成以外の分野に進出するのも一つのあり方だと思います。
そこで、第22回万有福岡シンポジウムでは「新しい発想による有機合成、有機合成からの新しい発想」というテーマを掲げ、新しい発想をもって新しい有機合成化学の開拓に取り組んでいる研究者と、核酸化学や有機半導体の分野で活躍されている研究者の方々を講師としてお招きし、最先端の研究内容を紹介していただく予定です。これらの講演から何かを得てこれからの研究に活かしてください。また、参加者の大半を占める学生や若い研究者の中には、新しい研究課題を考え出す立場になる方もいると思います。今回のシンポジウムから、「新しい研究とは何なのか?」「新しい研究課題を思いつくには、何に気をつければいいのか」をつかんでいただければ幸いと思います。また、本シンポジウムでは九州山口地区の各大学から応募されてきた15件に加え、札幌および仙台シンポジウムでのポスター賞受賞者によるポスター発表もあります。活発に議論し、交流を深めていただければと願っています。
最後になりましたが、第22回万有福岡シンポジウムの開催にあたって、さまざまな側面から絶大なご支援をいただいている万有生命科学振興国際交流財団に心から感謝申し上げます。また、このシンポジウムの開催に協力していただいている九州大学グローバルCOEプログラム「新炭素資源学」にも深く感謝いたします。