組織委員の会議冒頭の挨拶では、大津会議参加者は日本学術振興会特別研究員の中から選ばれた「金の卵」であり、この中から将来ノーベル賞受賞者が生まれることを大いに期待することが述べられました。
最初に行われた研究発表では、組織委員だけでなく参加者からも多くの質問があり、非常に活発なディスカッションが展開されました。グローバル化する世界において英語によるコミュニケーション能力は欠かせない資質であるため、研究発表と質疑応答は全て英語で行われました。
次に行われたラウンドテーブルディスカッションでは二つのテーマを設定してグループ討論が行われました。まず「20年後の有機合成化学」というテーマに関する討論では、エネルギーや環境問題への貢献、IT技術・物理化学的手法・機械工学などの進歩を活用した有機合成化学の大変革などの夢と期待が語られました。また、「我が国のとるべき道」というテーマでは、高校や大学院の教育改革、研究資金の確保策、科学人口の拡大策、新しい評価基準に基づく学生の年俸制等、様々なアイデアが出されました。若い時期からこのようなテーマについて興味を抱き、仲間と議論を重ねることを通じて、広い視野とビジョンを創造する力を獲得して欲しいと考えています。
2日目に行われた組織委員の基調講演では、研究者として人生を歩む上で心に刻むべき言葉や哲学、更には将来アカデミックポジションを得た際の研究の進め方や科研費制度の仕組みといった実践的な内容も紹介されました。学会等では聞くことのできないこれらの話は、大変好評でした。
最後のプログラムは、「自身が将来取り組んでみたいプロジェクト」をプロポーザルとしてまとめ、英語で発表するというものでした。初めての経験であり、難しい面もあったようですが、「自分はどのようなミッションとビジョンを掲げて、具体的には何をテーマとして研究するのか」を常に意識することの重要性を実感して頂いたようです。
大津会議では歴代会員の相互交流を活発化し、将来の日本を担う若手研究者のコミュニティとして成長させたいと考えています。第2回参加者から選出された幹事2名が中心になってソーシャルメディアを活用したコミュニティが立ち上げられ、歴代会員間の交流が開始されました。今後どのような活動に発展していくのか楽しみです。
会員番号 | 氏 名 | 所 属 |
---|---|---|
017 | 水野 彰 | 北海道大学大学院生命科学院 |
018 | 一ノ瀬亘 | 東北大学大学院薬学研究科 |
019 | 笹野裕介 | 東北大学大学院薬学研究科 |
020 | 木村康明 | 東京大学大学院薬学系研究科 |
021 | 喜来直裕 | 東京工業大学大学院理工学研究科 |
022 | 坪郷 哲 | 東京大学大学院理学系研究科 |
023 | 藤田大士 | 東京大学大学院工学系研究科 |
024 | 河合洋幸 | 名古屋工業大学大学院工学研究科 |
会員番号 | 氏 名 | 所 属 |
---|---|---|
025 | 堀部貴大 | 名古屋大学大学院工学研究科 |
026 | 齊藤輝彦 | 大阪大学基礎工学研究科 |
027 | 橋本士雄磨 | 京都大学化学研究所 |
028 | 星本陽一 | 大阪大学工学研究科 |
029 | 村上 慧 | 京都大学工学研究科 |
030 | 大川原徹 | 九州大学大学院工学府 |
031 | 小熊卓也 | 九州大学大学院理学府 |
集合写真 |
グループディスカッション |