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シンポジウム BANYU SYMPOSIUM

第23回 万有札幌シンポジウム
有機化学の深化と多様化

オーガナイザーから

第23回万有札幌シンポジウムOrganizer

北海道大学大学院工学研究院 教授 大熊 毅

この度、東日本を襲った未曾有の大災害により甚大な被害が生じましたことに改めて心より哀悼の意を表し、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地の一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

初夏の風が爽やかな7月の札幌で開催されるこのシンポジウムも、今年で23回目を迎えることとなり、四半世紀も目前となってまいりました。その20年余りの間に有機化学は長足の進歩を遂げ、このシンポジウムが初開催された当時からは想像もつかないような合成反応や有機分子が日常的に利用されていることを目の当たりにするにつけ、その背景にある多くの研究者のたゆまぬ努力を思わずにはいられません。そのような優れた研究成果が生み出される過程では、研究者同士が生の討論や情報交換を行い、互いが切磋琢磨する場が果たす役割は極めて重要なものと言えます。首都圏、近畿圏と比較するとそのような機会が少ない北海道地区において、世界的に活躍している研究者の講演を聴講できると同時に、近隣の有機化学の研究者との交流を深められる本シンポジウムはその絶好のチャンスであり、特に学生の皆さんには、この趣旨を理解しシンポジウムを有意義なものにしていただきたいと考えております。

本年は、「有機化学の深化と多様化」をテーマとし、1)比較的分子量の小さい有機化合物の精密かつ一般的合成法の開発や、複雑な構造とユニークな生物活性をもつ天然有機化合物の全合成研究など「基礎研究の深化」と、2)有機高分子の高立体選択的合成と新機能の創出研究や、有機分子をプローブとする新薬開発などの「発展研究の多様化」に焦点を定め、長い研究の歴史を経てさまざまなベクトルに発展を遂げてきた有機化学の各分野から第一線の先生方を講師としてお招きしました。

また、昨秋、北海道大学名誉教授鈴木章先生、パデュー大学教授根岸英一先生、二人の日本人研究者のノーベル化学賞受賞という、我々有機化学研究に携わる者を大いに元気づける出来事がありましたことは記憶に新しいところです。本シンポジウムでは、鈴木章先生をお迎えして特別講演として若い世代に向けたメッセージをいただきます。

できるだけ多くの方に本シンポジウムに参加していただき、今後の研究活動における活力としていただければ幸甚に存じます。また、20年以上の長きにわたりご支援をいただいている公益財団法人 万有生命科学振興国際交流財団に深く感謝いたします。

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