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シンポジウム BANYU SYMPOSIUM

第23回 万有仙台シンポジウム
未来をつくる有機合成化学

オーガナイザーから

第23回万有仙台シンポジウムOrganizer

東北大学大学院理学研究科 教授 寺田 眞浩

昨年は東日本を襲った未曽有の大震災により東北地区にある多くの研究施設が甚大な被害を受けましたが、復興に向けて多くの方々のご尽力により、徐々に平常に戻りつつあります。一方で、津波の被害を受けた、あるいは原発事故の影響を受けた地域は未だに復興の道のりは遠く、多くの課題が山積みのままとなっておりますが、こうした時だからこそ、次世代の担い手を輩出する機関である大学が活力を示すべきであると強く思います。震災後、「絆」の一文字に込められた思いをここまで強く感じることは無かったかと思いますが、本シンポジウムを通じ、有機化学を介した「絆」を深めることで、その活力の源としたいと思います。

本シンポジウムでは、我々人類の未来に有機合成化学がどのように関わっていくべきか、あるいは貢献できるかを再考する機会にしたいと考え、「未来をつくる有機合成化学」をテーマとしました。これまで、有機合成化学は機能性分子や医薬品などに代表される生理活性化合物などを創り出すことで、人類の発展に大きく貢献してきました。しかし、その一方で、環境問題や希少資源の枯渇など、深刻な問題を抱えています。これまでの知識や技術に甘んじることなく、今後、さらなる発展を遂げるには、新たに突きつけられている課題に応える「モノづくり」が不可欠となっています。人類の未来に有機合成化学がどのようにかかわり、何に答えてゆくべきか、本シンポジウムでは、「機能発現」と「効率的合成」をキーワードとして、第一線でご活躍の先生方のご講演を通じ、その糸口を見出す機会にしたいと思います。

仙台シンポジウムも今回で四半世紀を目前とする23回目を迎えることになります。20年以上もの長きにわたり、ご支援を頂いております公益財団法人 万有生命科学振興国際交流財団に改めて深謝申し上げます。この並々ならぬご支援に報いるためにも、次世代の担い手であるという自負を持って本シンポジウムに参加し、「絆」を深めて頂きますことを切に願っております。

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