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名古屋メダルセミナー 組織委員
名古屋大学物質科学国際研究センター 教授 北村 雅人
2009年11月16日に、名古屋メダルセミナー「ゴールドメダル」がJean Fréchet先生に、「シルバーメダル」が野崎京子先生に授与されました。山本尚・野依良治両先生の発案で、万有生命科学振興国際交流財団の絶大なるご支援のもとに、本セミナーが設立されたのが1995年のことですので、今回で15回の授賞式が執り行われました。野依会長のもとに、第1回から7年間、山本先生が組織委員長を務められ、その後、磯部稔先生に引き継がれ、光栄なことに第14回から私がその役を仰せつかりました。最初のゴールドメダルは岸義人先生に、続いてStill、Grubbs、Kagan、Danishefsky、Reetz、Nicolaou、Seebach、Evans、Stoddart、Nakanishi、Ley、Overman、Trostの諸先生に贈られました。「国籍を問わず、先導的・創造的な研究をされた有機化学者」を対象とし、授賞には我が国の研究者への激励・指導に対する感謝の意が込められています。1999年には「有機合成化学分野において大きなインパクトを与えた比較的若い日本の研究者」を対象とする、シルバーメダルが設けられ、鈴木啓介、相田卓三、中村栄一、小林修、藤田誠、丸岡啓二、杉野目道紀、吉田潤一、袖岡幹子、村上正浩の諸先生に授与されました。2006年にはタイの王女様に特別賞も贈られています。このセミナーの前身ともいえる「Goto Memorial Lectureship Award(1992-1999)」の受賞者であります、Barton、Eschenmoser、Corey、Stork、Lehn、Kishiの諸先生も加えますと、これまでに総勢19名の海外の著名な先生方と、我が国が世界に誇る10名の先生方からご講演をいただきました。錚々たる受賞者リストです。十分な時間をとってゆっくりとわかりやすくお話していただくことがこのセミナーの特徴ですので、受賞内容の化学に隠されている深淵な理念や科学にも触れることができ、聴衆の皆様に与えた感動は計り知れません。セミナー参加後には、有機化学を学ぶ学生の多くがプロフェッショナルを志そうと決断したことと思います。
米国化学会は、1973年に「A. C. Cope Award」を、1986年には「A. C. Cope Scholar Award」を設立しました。このCope Awardsは有機化学分野の優れた研究者に与えられる賞として国際的に大変に高い評価を得ておりますことは周知の事実です。20年後の名古屋メダルセミナー賞の水準はCope Awardsに匹敵するものとなることは間違いありません。本賞の歴史をしっかりと刻んでくださった長坂健二郎氏に、そしてこの歴史にさらなる重みをつけてくださる新理事長小谷秀仁氏に、組織委員を代表して心から敬意と感謝の意を表します。