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シンポジウム BANYU SYMPOSIUM

各シンポジウム組織委員ご挨拶
札幌シンポジウム

宮浦 憲夫

道内有機系を結集する
「万有札幌シンポジウム」

万有札幌シンポジウム 組織委員
北海道大学大学院工学研究科 教授 宮浦 憲夫

万有シンポジウムは1989年に札幌で第一回が開催され、その後仙台、福岡、名古屋へと広がっていきました。100名足らずで発足したこの会の参加者は年々増え、道内の有機系を結集する一大イベントに成長しております。札幌での学術講演会は多くあります。また居ながらにして必要な情報を瞬時に手にすることができるなど本州や外国との距離を感じさせない時代に入りましたが、我々にとって万有札幌シンポジウムは特別な意義と魅力を持ち続けています。天然物や医薬品などの合成化学、反応開発、分子機能の創製など有機化学における「もの作り」の魅力を学ぶまたとない機会を提供し続けてきました。また、企業研究者との交流を通じてNeeds とSeedsの融合を模索してきたのもこの会の果たした大きな業績です。札幌シンポジウムの変わらぬ目的は、志を継ぐ若手研究者の育成と躍進であり、大学院生によるポスター発表、Short Talks、Best Poster賞、Best Discussion賞、福岡および仙台シンポジウムとの相互交流など若手プログラムを多く組みあわせて開催してきました。例年多くの学生が臆することなく積極的に質問する姿が見られることはとても頼もしく、20年の努力が実を結びつつあることを実感しております。この間多くの有機化学をめざした若者がこの会で有機化学の魅力に刺激され、巣立っていったことを考えると、このシンポジウムの果たした役割の大きさを感じざるをえません。大学で活躍する者、企業で開発研究に従事する者など卒業生の進路は様々ですが、会うたびに万有シンポジウムがいつも話題となり懐かしむのはこの会が果たした大きな成果の現れであります。私とっても助手時代からのつきあいであり、第5回でSharpless 教授の前で講演する機会を得たのは忘れられない思い出の一つになります。

この時期になると当然のように開かれ、毎年皆楽しみに集まるこの会の運営と発展に心血を注がれてきた元万有製薬株式会社 取締役 鈴木國夫氏と万有生命科学振興国際交流財団に深く感謝申し上げるとともに、この会が次の時代に向かってさらに発展することを祈念申し上げます。

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