薬理・生命科学セミナー1998年に、薬理学・生命科学を志す若い人たちへの贈り物として「最先端研究でありながら、若い研究者にも理解しやすいセミナー」を目指して、『若手研究者のための生命科学セミナー』を開始しました。
人間の生命現象への飽きることない探究心から、生命科学研究は驚くべき進歩を遂げてきました。しかし生命現象の全貌を知るにはあまりに程遠いのが現実であり、私たちはその神秘性をも含めて生命科学の奥深さには畏敬の念を抱くこともしばしばです。
セミナー開始当初、生命科学の研究は細胞・分子・遺伝子レベルに集中し、学生の皆さんは酵素や受容体や遺伝子はよく知っているけれど、それが生体の機能や動物の行動にどのように関与するのかをあまり知らない。そんな「部品生物学」の風潮を懸念してこのセミナーが企画されました。「分子レベルから生体に」というスローガンのもとに、第一線の研究者に最新の知識をわかり易く解説していただき、体の働きを総合的に理解するとともに、生物を研究する楽しさをわかって頂く事を目指し9回にわたりセミナーが開催されました。
先生方の大変なご協力により最先端研究をわかりやすくご講演いただき、このセミナーに参加された皆様(延べ2000人以上)には、薬理学・生命科学の研究の魅力、そして部品だけでなく生体の行動や機能に興味をもつ事の大切さを感じて頂けたのではないかと自負いたしております。